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それぞれが個性豊かな「節五郎出品酒」酒米違い3種 特別な酒に合う酒器・料理・味付けは

時を継ぎ、未来を醸す。「節五郎出品酒」04
それぞれが個性豊かな節五郎出品酒」米違い3種
特別な酒に合う酒器・料理・味付けは

前回は約70年前の創業以来、店で菊水酒造の酒を扱う新潟県新発田市の老舗すし店「登喜和鮨」と、新潟県産食材にこだわった独創的なすしで評価される三代目・小林宏輔さんをご紹介しました。今回は日本酒にも造詣が深い小林さんに、「節五郎出品酒」酒米違い3種の味の感想と、それぞれに合う料理や味付けについてお話いただきます。

70年以上、菊水酒造の日本酒を
定番酒の一つにしてきた「 登喜和鮨 ときわずし

「登喜和鮨」では創業以来、菊水酒造の酒を扱ってきました。現在は「白キャップ」と呼ばれるすっきりとした味わいの普通酒や、軽やかな飲み口の吟醸酒「菊水 無冠帝」、澄み切った味わいで存在感のある純米大吟醸「蔵光」などをそろえています。

中でも「白キャップ」は小林さんの大のお気に入り。「燗をしても味と香りが崩れず、しっかりした旨味でいくらでも飲める。新潟の日本酒の底力を飲むたびに感じます。うちはシャリの温度が42℃と高め。燗酒の方がすしと合うんですよ」

菊水酒造の酒造りについて「新しい製品を生み出し、日本酒文化のすそ野を広げる取組みをしながら、根幹は変わらない。進化し続けている。どの酒も骨太で、飲み飽きることがありません」と語る小林さん。

ちなみに小林さんの人生初の日本酒は、菊水酒造が日本で初めて開発した缶入り生原酒「菊水ふなぐち」。新鮮な果実のような香りと、濃醇なボディを持つ生原酒で、アルコール度が高いため「酔いましたね。でもうまくて飲み続けてしまう。玄人向けの酒だと思いました」と若き日を懐かしみました。

節五郎出品酒3種

酒米3種類の個性を引き出すなら酒器にもこだわりたい

菊水酒造が創業者・節五郎の名を冠した吟醸酒「節五郎出品酒」。毎年行われる全国新酒鑑評会に出品するために醸した酒です。この「節五郎出品酒」酒米違い3種の発売に注目していた小林さん。 「3種類とも、味と香りが全く違う。どの酒もうちが扱う食材と合わせたくなります。酒質の優れたすごい酒だと感心しました。本当においしいですね。値段は高いけど」と笑います。

3種類それぞれの味とおすすめの酒器について詳しくお聞きしました。

節五郎出品酒 越淡麗
節五郎出品酒 越淡麗 

節五郎出品酒 越淡麗と
飲み口が薄手の酒椀」

「越淡麗」は「バランスが素晴らしい。ほどよい香りで、まろやかさと旨味がある。後味のキレもいい。どんな料理も受け入れる包容力があります。 飲み口が薄手の酒椀で香りも楽しんでほしい酒ですね」。

節五郎出品酒 酒米菊水
節五郎出品酒 酒米菊水

節五郎出品酒 酒米菊水と
ワイングラス」

「酒米菊水」は「フルーティーな香りでコンパクトにまとまった味。程よい酸味で後味が爽やか。酸味をポイントにしたら合わせる料理の幅も広がります。ふくよかな旨味が心地よいですね。ワイングラスで味わってほしい」。

節五郎出品酒 山田錦
節五郎出品酒 山田錦

節五郎出品酒 山田錦と
平盃」

「山田錦」は「洗練された酒。辛さ具合が秀でていて、すっきりとした飲み終わり。山田錦特有の華やかな吟醸香もあります。この酒米を使った酒を今までたくさん味わってきたので、似た味をイメージしていましたが、飲んでみたら期待以上でした。新潟の大吟醸らしい仕上がりで、酒好きは平盃でじっくり飲むと思いますよ

自宅で「節五郎出品酒」を楽しむ時に
合わせたい料理とは

それぞれの酒に合う料理や味付けについても教えていただきました。

「越淡麗」は「どんな料理でも合わせられるんじゃないでしょうか。炭火で焼いた鶏肉や、タイのレッドカレーとかも合いそう。そもそも日本酒全般、スパイス系の料理と相性がいいんですよ。甘辛味もいいかもしれません」。

「酒米菊水」は「しっかりした食感があり、脂ののった白身魚がいい。肉よりは魚です。ハタやスズキなどに塩と柑橘類を添えたものなど、すっきり系の味付けが合うと思います。白身魚のカルパッチョなど、柔らかい酸味で魚のコリコリ食感が楽しめる、オリーブオイルをかけた料理もいけますよ」。

「山田錦」は「ナス漬や焼きナス、ナスのからし漬など、ナス料理にぴったり。ナスのえぐみを消して特有の甘味を分かりやすくしてくれる。イカや空心菜、青梗菜の中華炒めなど、シンプルに油で炒めた料理にもいいでしょう」。

新潟の酒と、新潟のすしを
世界に普及する役割を担って

酒造りの技術継承を目的に、酒米それぞれの特徴を生かした3種類の吟醸酒を醸し、鑑評会に出品する菊水酒造の試みについて「商業ベースだけでなく、真剣に酒米と向き合った酒造りをしている。食材に対するうちの姿勢と共通するところを感じます。お客さまに提供するものに、価格以上の価値を追求するため手間と時間をかけて、新潟の酒とは、新潟のすしとはこういうものだ、と普及する役割を担うコンセプトも一緒ですね」

三代目・小林宏輔さん
登喜和鮨 三代目
小林宏輔さん

1979年、新潟県新発田市で「登喜和鮨」を営む家に生まれる。地元高校卒業後、東京の調理師専門学校へ。その後は東京都内の和食店やすし店で修業。2010年に「登喜和鮨」を継承し、地元食材に徹底的にこだわりぬいた店へと革新を進め、国内だけでなく海外でも高く評価される。2024年、新潟市内に新潟店を出店。国内外で日本酒関連のコラボ企画にも積極的に参加し、すし、和食と日本酒の魅力を幅広く伝えている

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